酸素系漂白剤をぬるま湯に溶かすと、シュワシュワと激しく発泡します。この現象こそが洗浄力の根源です。キッチンシンクにこびりつくギトギトした油汚れは、酸性の油脂が酸化して樹脂化したものです。主成分である過炭酸ナトリウムが水に溶けることで生じる「炭酸ナトリウム」はpH10〜11の弱アルカリ性を示し、酸性の油汚れを中和・乳化(ケン化)して水に溶けやすい形へ変質させます。
さらに同時に発生する「活性酸素」が、油汚れの隙間に入り込んで強固な結合を物理的に引き剥がします。このアルカリによる化学的分解と、酸素の泡による物理的剥離という二重の作用によって、こすり洗いをせずともシンク全体のベタつきが瞬く間に消退します。
一方、マグカップやマイボトルの内側に付着する茶渋は、お茶やコーヒーに含まれるカテキンやタンニンなどのポリフェノール類が、水道水中の微量な金属イオンと結合して不溶性の膜を形成したものです。酸素系漂白剤はこの結合を強力に酸化分解し、色素化合物の分子構造そのものを破壊します。塩素系漂白剤で水筒を洗うと内部の金属腐食を引き起こす危険がありますが、酸素系であれば茶渋や水筒のつけ置き洗浄をステンレスを痛めることなく安全に完結させられます。