鉛筆の芯は、黒鉛と粘土の配合割合を細かく調整することで、硬度記号(9H〜6B、最高峰モデルでは10H〜10B)の硬さと濃さを生み出しています。黒鉛は柔らかく濃い黒色を出し、粘土は硬さと強度をもたらすため、黒鉛の比率を高めれば濃くて柔らかい「B系」になり、粘土の比率を高めれば硬くて薄い「H系」になります。
一般的な鉛筆の芯における原料の比率は以下の通りです。
鉛筆の芯が作られる製造工程では、まず極限まで微粉砕された高純度黒鉛と微細な粘土を水とともに練り合わせます。これを細いノズルから押し出して乾燥させた後、不活性雰囲気の炉の中で約1000℃〜1100℃の高温で数時間かけてじっくり焼成します。
焼き上がった芯は無数の微細な孔を持つ多孔質構造をしています。ここへ温めた植物油やパラフィンなどのオイルを減圧下で染み込ませる「油浸(ゆしん)処理」を施します。この油分が紙面との摩擦を大幅に軽減し、滑らかで心地よい筆記感を生み出すと同時に、芯内部の空隙を埋めて折れにくい強度を付与する決定的な役割を果たしています。