「当意即妙」の正しい読み方は「とういそくみょう」です。「とういそくびょう」や「とういそくみょう」などの誤読が散見されますが、後半は「即妙(そくみょう)」と読みます。
言葉を構成する漢字を二つに分解すると、その本質が極めて明快に見えてきます。
- 「当意(とうい)」:その場の状況や相手の意図、あるいは問いの趣旨にぴったり合致すること。
- 「即妙(そくみょう)」:間髪をいれず即座に(即)、気の利いた優れた機知や工夫を働かせること(妙)。
語源の由来をたどると、仏教の禅宗における師弟の問答や、平安・鎌倉期の歌道・連歌の作法に行き着きます。禅問答では、師の鋭い問いかけに対して間を置かずに真理を突いた返答をすることが求められ、歌の席では前の句に対して瞬時に気の利いた返しを詠むことが最高の教養とされました。つまり、単に「素早く答える」だけでなく、「相手の意図を正確に捉えた上で、唸らせるような気の利いた返しをする」という知的センスを含んでいる点が、この四字熟語の神髄です。