ネット上の一部では今なお「父親の力で事務所に入ったのではないか」という安易な憶測が散見されます。しかし、その入所日の経緯をつぶさに取材すると、世間のイメージとは真逆の事実が浮かび上がってきます。
京本大我が事務所に入所したのは2006年5月4日。当時11歳だった彼は、家族旅行で訪れたハワイの飲食店で店主と撮影した記念写真がきっかけでした。その写真が偶然ジャニー喜多川氏の目に留まり、「この子は誰だ」と連絡が入ったことで直接スカウトされたのです。父親である京本政己の紹介やコネクションによる売り込みではなく、純粋に本人の持つビジュアルの原石感が発掘された瞬間でした。
入所後、彼を待ち受けていたのは「京本政己の息子」という巨大な偏見の壁でした。先輩や周囲からの冷ややかな視線に晒され、何を達成しても「親の七光り」と片付けられる日々に、多感な少年は深く葛藤しました。当時の特番インタビューにおいて本人が「自分の力で認めてもらわなければ、ここにいる意味がない」と吐露した通り、彼はダンスと歌唱の猛特訓に明け暮れました。
その実力が結実したのが、ミュージカルの金字塔『エリザベート』のルドルフ役です。彼は親の名前を伏せた外部オーディションに単身挑み、演出家の小池修一郎氏をはじめとする審査員の前で自らの喉一つで役を勝ち取りました。14年もの間、決して腐ることなく泥臭い努力を積み重ねた事実こそが、偏見を賞賛へと塗り替えた決定的な証拠です。