私たちが「オンニ」という単語に日常的に触れる最大の震源地は、間違いなく映像コンテンツです。K-POPアイドルのオンニ呼びは、グループ内のケミストリー(相性)や絆をファンダムへ視覚化する極めて象徴的なコミュニケーションツールとして機能しています。
TWICE、LE SSERAFIM、NewJeans、aespaといったトップガールズグループのビハインド映像やライブ配信を確認すると、年少メンバーが実年齢が1〜2歳上のリーダーや年長者に対し「〇〇オンニ!」と駆け寄るシーンが定常的に映し出されます。また、女性ファンが女性アイドルに対して「オンニ、かっこいい!愛してる!」と声援を送る光景も名物です。韓国の同性間では、尊敬と親愛を同時に込めて年上女性を慕う「ガールクラッシュ」の文脈において、オンニという単語が大きなエモーショナルバリューを持ちます。
一方、韓国ドラマの頻出フレーズとして登場するオンニは、より多面的な人間関係のグラデーションを映し出します。街の飲食店でお客の女性が店員を呼ぶ際の「オンニ、ここ注文お願いします!」や、財閥やオフィスドラマで後輩が先輩にすり寄る際の「オンニ、助けてください」といったセリフです。ドラマの脚本では、当初「〇〇代理」「〇〇シ」と呼んでいた冷え切った関係が、過酷な逆境を共にする中で「オンニ」呼びへと変化した瞬間、二人の間に擬似的な家族愛が芽生えたことをドラマチックに表現する演出手法として重用されています。