認知心理学や人間工学の知見によれば、人間が2つの連続する作業を行う際、マルチタスクや作業の中断(電話対応など)が入ると、脳内のワーキングメモリがリセットされ、約15〜20%の確率で取り違えエラーが発生しやすくなることが実証されています。精神論や「気をつけます」という注意喚起だけでテレコを防ぐことは不可能です。
ミスを根本から絶つために、先進的な企業や物流現場で導入されている防止策は以下の通りです。
- 1作業・1完結のシングルタスク原則の徹底:作業台の上に「A社用の荷物」と「B社用の荷物」を同時に広げない。A社の梱包と伝票貼りを完全に完了させてからB社の作業に入る空間的隔離をルール化する。
- バーコード検品システム(WMS)の物理的インターロック:商品バーコードと納品伝票のバーコードをハンディターミナルで連続スキャンし、一致しない限り次の工程へ進めないシステム制御を構築する。
- 「指差し呼称」と心理的バウンダリーの設定:目視確認だけでなく、「伝票A社、商品A、ヨシ!」と声に出して指を指す動作を挟むことで、無意識のルーティン作業から意識的な確認状態へと脳の認知モードを強制的に切り替える。
組織におけるミス防止の本質は、個人のスキルに依存するのではなく「人間は必ず取り違えを起こす」という前提に立った仕組みづくりにあります。