時計の針を2000年代後半に戻してみよう。毎週水曜日の夜、日本中が彼らの一挙手一投足に爆笑し、時に涙していた。島田紳助氏という絶対的な羅針盤のもとで誕生した「おバカタレント」というジャンル。それは、緻密に計算されたエンターテインメントであり、同時に残酷な消費のシステムでもあった。
知識の欠如を笑いに変えるという手法は、当時の視聴者にとって最高の娯楽だった。しかし、その熱狂が去った後に残されたのは、貼られたレッテルとどう向き合うかという重い課題だ。キャラクターとしての「おバカ」を脱ぎ捨て、一人の表現者として生き残るための戦いは、想像を絶するものだったに違いない。