『おかあさんといっしょ』の歴史を紐解くと、数千曲に及ぶ膨大なアーカイブの中に、大人の鑑賞にも耐えうる芸術性の高い楽曲が点在しています。『星ひとつ』はまさにその筆頭に挙げられる存在です。夜の静けさの中、ぽつんと輝く一番星と語り合うような構成は、子ども向けの歌という枠組みを軽やかに超えています。
本作の作詞作曲を手掛けたクリエイター陣は、子どもの純粋な視線と、人生の機微を知る大人の情感を絶妙なバランスで融合させました。過度な装飾を削ぎ落としたアコースティックな伴奏と、透き通るような主旋律が重なり合うことで、聴く者の記憶にある原風景を呼び覚まします。「派手さはないのに一度聴いたら忘れられない」と評される理由は、この計算され尽くしたミニマリズムと詩的な美しさにあります。