大手企業からスタートアップまで、人事労務の現場で頻発しているのが「通勤手当の不正受給」と「申請漏れ」によるトラブルです。人事担当者が提出書類のどこをチェックしているのか、実際の現場データと実態を検証します。
1. 「カラ定期」や「自転車通勤隠し」は即座に発覚する
「電車通勤として定期代を満額申請しておきながら、実際は健康のために自転車で通い、定期代を浮かせる」という行為は、明らかな就業規則違反(服務規程違反)です。企業によっては定期券の購入履歴画面(Suica・PASMOアプリの定期券情報や領収書)の原本提出を義務付けており、抜き打ちチェックや年末調整時の通勤費実態調査で発覚するケースが後を絶ちません。
不正受給と判断された場合、過去数年分に遡った手当の全額返還請求はもちろん、懲戒処分(戒告、減給、悪質な場合は懲戒解雇)の対象となります。さらに、所得税法上の非課税枠を不正利用したことによる追徴課税のリスクも伴います。
2. 引っ越し・路線改定時の変更届提出タイミング
転居によって通勤経路が変わった場合、住民票の異動手続きと同時に「通勤経路変更届」を提出するのが原則です。提出が遅れると、過払い分の給与天引き精算や、不足分の追加支給手続きなど、労務管理上の余計な手続きが発生します。運賃改定(各鉄道会社の運賃見直し)の際にも、会社の自動再計算システムに頼るだけでなく、自身の手当額が正しいか明細を確認する姿勢が求められます。