そもそも、なぜこの表現がこれほどまでに忌避されるのか。ビジネスマナーの歴史を紐解くと、「ご苦労様」は本来、目上の者が目下の者の労をねぎらう言葉として定着してきた。しかし、フラットな組織構造が主流となった現代において、この「上から目線」のニュアンスが牙を剥く。
「頑張ったね、と頭を撫でられているような感覚になる」。そう話すのは、入社2年目のエンジニア、高橋陸さん(24)だ。悪気がないのは分かっている。それでも、チャットの画面にその文字が表示されるたび、微かな引っかかりを覚えるという。敬意の不在。それが、彼らが感じる違和感の正体だ。