狂気あふれる教師を演じ切った『悪の教典』をはじめ、緊張感漂うサスペンスドラマや重厚な人間ドラマにおいて、伊藤英明は常に魂を削るような演技を見せてきた。
役に没頭するタイプだからこそ、カメラが止まったあとのオン・オフの切り替えが極めて重要になる。『海猿』の時代から過酷な現場を生き抜いてきた彼だが、現在の彼には帰るべき温かな家庭がある。家に一歩入れば、穏やかな笑顔で迎えてくれる妻と子どもたちがいる。この揺るぎない安全基地があるからこそ、スクリーンで狂気や孤独といった極限の感情を爆発させることができるのだ。