なぜ可愛い台湾リスが害獣に?鎌倉で急増した江ノ島脱走の衝撃真相

なぜ可愛い台湾リスが害獣に?鎌倉で急増した江ノ島脱走の衝撃真相

なぜ可愛い台湾リスが害獣に?鎌倉で急増した江ノ島脱走の衝撃真相とはどんな影響があるのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。

ネット上やSNSでは、怪我をした台湾リスや巣から落ちた幼獣を見つけた人による「保護しました」「ミルクをあげています」といった投稿が散見されます。しかし、ここには法的にも生態学的にも致命的な盲点が存在します。

外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)において、クリハラリス(台湾リス)は厳格な管理下に置かれています。環境大臣の特別な許可を得た研究機関などを除き、以下の行為は明確に禁止されています。

  • 飼育・栽培・保管・運搬の禁止:個人が自宅でペットとして飼育することはもちろん、保護して動物病院へ車で運ぶ行為自体も「無許可の運搬」に抵触する恐れがあります。
  • 野外への放流(リリース)の禁止:自宅の庭で箱罠にかかった台湾リスを、「可哀想だから」と別の山奥へ連れて行って逃がす行為は最高法規違反です。
  • 譲渡・販売の禁止:他者へ生きた個体を譲渡したり、ネットオークション等で取引することは処罰の対象です。

個人の違反者には3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、法人の場合は最大1億円の罰金が規定されています。「善意の保護」であっても、法律上は違法行為とみなされる可能性が極めて高いため、安易な接触や持ち帰りは絶対に避けなければなりません。

【プロの結論】鳥獣問題における「バイオフィリアの罠」と正しい向き合い方

社会心理学や環境倫理学の領域では、人間が生まれつき動物や自然に対して親近感を覚える本能を「バイオフィリア(生命愛)」と呼びます。台湾リス問題がこれほど長期化し、根絶に至らない深層心理の背景には、このバイオフィリアと外来種管理の間で生じる「認知的不協和」があります。

「ネズミなら即座に駆除するが、リスはリスの形をしているから駆除に心が痛む」——。この人間の身勝手な共感の歪みこそが、過去の安易な餌付けを助長し、捕獲現場での住民トラブルを生む根本原因となってきました。自然愛護とは、特定の外来動物に情を注ぐことではなく、その土地に何千年とかけて築かれた在来の生態系ピラミッドを守る行為に他なりません。

台湾リスとの遭遇において、私たちがとるべき行動基準は以下の通り極めて明確です。

  • 【推奨される正しい行動】:
    • 自宅敷地内で被害が出ている場合は、自治体の鳥獣担当課へ相談し、正規の防除マニュアルに沿った捕獲手続きを行う。
    • 庭の果樹や生ゴミなど、リスの餌資源となるものを徹底的に排除・防護する。
    • 建物の破風板や戸袋など、侵入経路となり得る木部には金属プレートや頑丈な金網を施す。
  • 【絶対に避けるべきNG行動】:
    • 「可哀想」「少しだけなら」という気持ちでの餌付け行為。
    • 弱っている個体・幼獣を見つけて自宅へ持ち帰り、ペットとして飼育しようとすること。
    • 捕獲した生体を別の野山や公園へ放つ(遺棄・拡散)行為。
佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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