「もし消毒をやめて雑菌が繁殖したら、重い病気になるのではないか」という不安を抱くのは当然のことです。消毒を怠った場合に最も警戒すべきリスクは、ミルクの残りかすを栄養源とする「サカザキ菌(Cronobacter sakazakii)」や「サルモネラ菌」などの細菌増殖です。
粉ミルクは無菌食品ではないため、飲み残しを長時間放置すると常温下で急速に細菌が増殖します。万が一これらを未熟な乳幼児が摂取すると、細菌性胃腸炎、嘔吐、下痢、発熱などの健康被害を引き起こす危険性があります。
ただし、ここで重要なのは「生後3ヶ月以降の感染リスクは、消毒の有無よりも“洗浄の不徹底”と“湿ったままの放置”によって引き起こされる」という事実です。煮沸や薬液で一時的に無菌化しても、洗浄が甘くミルクの油分が残っていたり、生乾きの状態で保管したりすれば、わずか数時間で菌は再繁殖します。消毒作業そのものよりも、日々の物理的な洗浄と乾燥こそが感染防止の要です。