タイトルの「高嶺の花子さん」という絶妙なネーミングが示す通り、描かれているのは自分とは釣り合わない「高嶺の花」である女性に恋をしてしまった男性のモノローグです。歌詞の最大の特徴は、一般的なラブソングにあるようなスマートな告白ではなく、情けなくも痛切な「脳内シミュレーション(妄想)」の連続にあります。
「君から見た僕は どんな風に見えているんだろう」「偶然どこかでバッタリ会えないか」といった他力本願で情けない心理描写から、終盤に向けて募る「君をさらってしまいたい」という剥き出しの情熱まで、恋する人間のカッコ悪い本音が余すところなく綴られています。理想通りにいかない現実の恋愛に直面したとき、誰しもが抱える自己防衛と純粋な好意のせめぎ合いこそが、リリースから10年以上を経てもリスナーの胸を打つ理由です。