北陸新幹線の改札を抜けると、以前とは明らかに異なる熱気が漂っている。再開発が進んだ富山駅周辺エリアは、かつての「乗り換え点」から「目的地」へと完全に変貌を遂げた。商業施設や複合ビル内には、東京や海外の名店で腕を磨いた若手シェフたちが次々と出店。昼の限定コースを目当てに、開店前から行列ができる光景も珍しくなくなった。
特筆すべきは、各店が打ち出す昼のショートコースのクオリティだ。富山湾の水深数千メートルから汲み上げられるミネラル豊富な海洋深層水を使ったスープや、地元農家が育む西洋野菜を主役に据えた一皿など、知的な刺激に満ちている。これまでの「手軽に食べる昼食」という枠組みを超え、食体験そのものを楽しむスタイルが、感度の高い旅行者やビジネス客の心を惹きつけてやまない。