電子レンジの加熱室内にアルミホイルを持ち込んだ瞬間に起きる激しい火花。この現象の根底には、高周波の電磁波と金属の物理的な相互作用が存在します。電子レンジは、内部の心臓部であるマグネトロンから周波数2.45GHz(ギガヘルツ)のマイクロ波を照射し、食品に含まれる水分子を毎秒約24億5000万回振動させて摩擦熱を生み出す仕組みです。
しかし、アルミニウムをはじめとする金属は水分を含まないため熱を持たず、照射されたマイクロ波を鏡のように激しく反射します。電波がアルミホイルの表面に当たると、金属内部に存在する自由電子が一斉に激しく移動し、極めて高い高周波誘導電流が発生します。これが電子レンジでマイクロ波が反射しスパークを起こす根本的な仕組みです。
平滑な金属板であれば電流が分散することもありますが、アルミホイルには無数の「折り目」「シワ」「尖った角」が存在します。電気には尖った先端に集まる性質(電界集中)があるため、隣り合うシワとシワのわずかな隙間に数千ボルト以上の超高電圧が発生。空気の絶縁耐力を突破し、青白い閃光とともに激しい放電(アーク放電)が走ります。これこそが、電子レンジにアルミホイルを入れて火花が出る理由であり、レンジ機能でアルミホイルがNGとされる決定的な理由に他なりません。