1965年、ジョー・ウイダーの手によって創設されたミスター・オリンピア(Mr. Olympia)。それまで存在していたボディビル大会の枠組みを超え、「真の世界一」を決める場として産声を上げた。この舞台を一躍世界的なポップカルチャーへと押し上げた立役者こそ、アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)だ。彼の圧倒的な胸筋の厚みと彫刻のようなプロポーション、そしてカリスマ性は、ドキュメンタリー映画『パンピング・アイアン (鋼鉄の男)』を通じて世界中に衝撃を与え、ボディビルをアンダーグラウンドな競技から一大エンターテインメントへと引き上げた。
時代が移り変わり、1990年代後半から2000年代にかけて現れたのがロニー・コールマン(Ronnie Coleman)という怪童だった。「Light weight, baby!」の咆哮とともに800ポンド(約360kg)超のスクワットを軽々とこなす規格外のパワー。大会連覇を重ねた彼の肉体は、筋肉の密度と厚みの概念を完全に書き換えた。アーノルドが築いた芸術性と、ロニーが切り拓いた質量(マス・モンスター)の極致。二人の巨星が残したレガシーは、今なお現役選手たちが超えるべき高き壁として君臨している。