メディア露出が続く一方で、ネット掲示板やレビューサイトに散見される批判的な意見。それらを丹念に分類・分析していくと、肉そのものの品質トラブルではなく、商品の際立った個性と消費者の事前面識との間に生じる「3つのミスマッチ」が浮かび上がってきます。
第1の要因は、「想像を絶する脂の融点と脂質量」に対する好みの乖離です。一般的な洋食店のふっくらとしたハンバーグは、挽き肉に対して炒め玉ねぎやパン粉、牛乳を混ぜ合わせ、肉汁をスポンジのように吸い込ませることで保水性を保ちます。対して福よしのハンバーグは、黒毛和牛と国産牛の融点の低い上質な脂を主役として設計されています。一口目のインパクトは鮮烈であるものの、赤身肉の力強い噛みごたえやドライな食感を好む層にとっては、「脂っこくて胃もたれする」「途中でくどくなった」という印象に反転してしまうのです。
第2の要因は、「つなぎ不使用」がもたらす調理難易度の高さにあります。卵や小麦粉などの副材料を排除しているため、家庭のフライパンで強火にかけると、表面が固まる前に内部の脂が一気に溶け出して外へ流出してしまいます。結果として「肉の形が崩れて崩落した」「大切な旨味が抜け落ちてパサパサのカスになってしまった」という事態に陥り、これを調理ミスではなく「まずい肉」と誤認してしまうケースが後を絶ちません。
第3の要因は、仕上げの火加減による「パサつき現象」です。和牛の脂は30℃前後の極めて低い温度で溶け出します。内部まで完全に熱を通そうと焼き時間を伸ばしすぎると、内部の繊維が縮んで貴重な脂分が完全にフライパンへ逃げ出してしまいます。本来味わうべきシルキーな口どけを享受できず、失敗体験がネガティブな口コミの引き金となっています。