SNSやネット掲示板、カウンセリング相談の現場には、無意識の刷り込みに翻弄された生々しい体験談が数多く寄せられています。当編集部が実施した意識調査や現場取材から、代表的な3つの事例を検証します。
Case 1:親の金銭感覚という強力な呪縛(30代・会社員女性の手記)
「母から『贅沢は悪、貯金こそが唯一の正義』と毎日のように言い聞かされて育ちました。社会人になり年収が上がっても、自己投資や旅行に1円でも使うと激しい罪悪感に襲われる状態が30歳まで続きました。これが家庭内での刷り込みだと気づいたのは、認知行動療法のカウンセリングを受けて初めてのことでした」
Case 2:UI/UXと初回体験の強烈なアンカー(20代・ITエンジニア)
「学生時代に最初に触れたOSやコードエディタの操作感が、10年経った今でもすべての基準になっています。後発のツールの方が明らかに機能的に優れていると頭では理解していても、指が最初のツールのショートカットを求めてしまい、乗り換えに多大なスイッチングコストを感じます」
Case 3:恋愛における『初恋フィルター』の誤認(40代・自営業男性)
「20代前半で手痛い失恋を経験して以来、無意識にその相手と同じ髪型、同じ笑い方をする女性ばかりを追いかけていました。知人から『お前は相手そのものを見ていない、過去の記憶を相手に刷り込んでいるだけだ』と指摘され、初めて自分の恋愛基準が歪んでいたことに気づかされました」