寛一郎のキャリアを振り返る上で欠かせないのが、デビュー初期の鮮烈な輝きだ。2018年の映画『菊とギロチン』でキネマ旬報ベスト・テン新人男優賞などを受賞し、彗星のごとく現れた彼は、単なる一発屋ではないことを証明し続けた。
さらに、モノクロームの映像美と豊かな人間模様を描いた『せかいのおきく』での演技は、映画関係者や観客から絶賛を浴びた。汚物処理という過酷な仕事に就きながらも、愚直に生きる青年の姿を繊細かつ力強く演じきった。スクリーンに立つだけで物語の温度を上げるその稀有な表現力は、彼の大きな武器となっている。