四季島の乗車料金表を初めて目にした旅行者の多くは、その桁違いの数字に息を呑みます。最もベーシックな「スイート」であっても、1泊2日コースで1名あたり40万円〜50万円台、3泊4日コースともなれば80万円台〜100万円台というプライシングが設定されているためです。最上位客室である「四季島スイート」を3泊4日コースで利用する場合、2名1室利用でも1人あたり100万円から115万円前後に達します。
この驚愕の価格設定を成立させている最大の理由は、徹底した「少人数限定の定員設計」と「究極のオールインクルーシブ方式」にあります。全10両編成という長大な車体を持ちながら、客室はわずか17室・定員わずか34名。新幹線であれば数百名から千数百名を運ぶスペースを、たった34人のゲストのためだけに贅沢に独占している計算になります。
四季島の客室は、利用目的に応じて明確に3つのグレードに分かれています。
- 四季島スイート(展望メゾネットタイプ・1室限定):7号車に位置する最上位客室。1階がベッドルーム、2階が掘りごたつ風の畳敷きリビングというメゾネット構造を鉄道車両で初めて実現。壁面には檜風呂(特殊処理を施した温泉風浴槽)が設えられ、走行する車窓を眺めながら湯船に浸かるという唯一無二の体験が約束されています。
- デラックススイート(フラットタイプ・1室限定):同じく7号車にある贅を尽くした平屋構造の客室。四季島 デラックススイートの内装には、樹齢数百年の銘木や伝統工芸である和紙、漆、鍛鉄の意匠が随所に散りばめられ、天井高を活かした上質な空間とフラットならではの移動ストレスのなさが富裕層のシニア層から絶大な支持を得ています。こちらも広々としたバスタブを完備しています。
- スイート(フラットタイプ・15室):2〜4号車および8・9号車に配置された標準客室。標準とはいえ、乾式シャワーブース、洗浄機能付きトイレ、上質なソファベッドを完備。日本の伝統的な「障子」や「組子」を現代風に再解釈した美しいインテリアが施され、ホテルの一室と何ら遜色のない居住性を誇ります。
さらに注目すべきは、四季島の1人利用料金です。基本的に2名1室利用を前提に価格が設定されているため、1名で客室を専有する場合は「シングルユース追加料金」が適用されます。1泊2日コースで約60万〜75万円、3泊4日コースでは120万円〜150万円超という正規代金が発生します。「おひとり様」での参加ハードルは金銭面でも極めて高いと言わざるを得ませんが、自分への生涯のご褒美や定年退職の記念として単独で申し込む利用者が後を絶ちません。