マグロは泳がないと死ぬ?止まると窒息する衝撃の理由と睡眠の真相

マグロは泳がないと死ぬ?止まると窒息する衝撃の理由と睡眠の真相

マグロは泳がないと死ぬ?止まると窒息する衝撃の理由と睡眠の真相についての疑問解決ガイドを徹底解説します。

マグロの特異な生態に関しては、ネット上やテレビ番組の断片的な情報によって、いくつかの誤解や都市伝説が定着しています。ここで代表的な3つの誤認を正しておきます。

誤解1:マグロは常に時速80km以上の猛スピードで泳ぎ続けている?

これは明らかな誤解です。「マグロは時速80〜90kmで泳ぐ」というのは、獲物を追撃する瞬間や天敵から逃げる際の瞬間最大速度に過ぎません。自動車に例えるなら、アクセルを床まで踏み込んだフルスロットルの状態です。もし常にこの速度で泳ぎ続ければ、数時間で筋肉中のグリコーゲンを使い果たし、乳酸が溜まって疲労死してしまいます。普段のマグロは、時速10〜20km前後の低燃費な巡航速度で省エネ遊泳を行っています。

誤解2:水揚げされたマグロの身が赤く変色して痛むのは暴れたから?

釣り上げられたマグロの品質が落ちる現象を、市場関係者は「ヤケ(焼け)」と呼びます。これは単に外傷を負ったからではなく、マグロが持つ独自の「奇網(きもう/ワンダーネット)」という熱交換システムが原因です。マグロは魚類でありながら、周囲の海水温よりも10℃以上高い体温を維持できる準恒温動物です。釣り針にかかって過度に激突・暴走すると、体温が急激に上昇して40℃近くに達し、自らの熱で赤身のタンパク質が変質(熱変性)してしまうのです。

誤解3:網に引っかかったマグロは引き揚げられるまで生きている?

漁獲の現場において、巻き網や定置網の網目に頭部が挟まったマグロは、引き揚げる前にすでに絶命していることがほとんどです。前述の通り、網に引っかかって前進が止められたマグロは、数分から十数分程度で重度の酸欠に陥り、窒息死してしまいます。生きた状態で水揚げして活け締めを行うには、網の中でマグロが泳ぎ回れるスペースを常に確保しておく必要があります。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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