ガソリン代を使い、人件費をかけて住宅街を一日中走り回りながら、なぜ「無料回収」などというボランティア同然の行為が成立するのでしょうか。その背景には、法規制の隙間を突いた「3つの収益ルート」が存在します。
第1のルートは、「都市鉱山」としての資源転売です。エアコンや給湯器、パソコンなどの電子機器には、銅、アルミ、金、パラジウムといった高価な金属資源が豊富に含まれています。近年の金属スクラップ市場の高騰を受け、壊れた家電であっても専門のスクラップ買取業者に持ち込めば、1台あたり数千円の現金に化けます。彼らにとって巡回トラックは、元手ゼロで原材料を仕入れるための「動く集荷拠点」に他なりません。
第2のルートが、東南アジアや中東などへの海外輸出です。日本国内では年式が古く「ゴミ」とされる2010年代の白物家電であっても、修理インフラが発達した発展途上国では現役の生活家電として高値で流通します。バーゼル条約などの国際規制を潜り抜けるため、部品名目でコンテナに詰め込み、巨額のマージンを得る組織的なブローカーが背後に控えています。
そして第3のルートこそが、一般市民を最も苦しめている「現場での高額請求(ゆすり・たかり)」です。「回収は無料だが、運搬費や作業代は別」「リサイクル料が数万円かかる」と後から難癖をつけ、1回の積み込みで5万〜10万円以上の現金を脅し取る手口が、彼らにとって最も手っ取り早い荒稼ぎの源泉となっています。