「警察署に行けばその場で写真を撮ってくれる」という認識は、半分正しく、半分は危険な誤解を含んでいます。結論から言えば、免許更新の警察署写真持参ルールは全国一律ではなく、管轄する都道府県警察の方針と、更新を行う警察署が「即日交付警察署」か「後日交付警察署」かによって決定的な差が存在します。
警察署での写真撮影有無の真相を紐解くと、全国の警察署窓口は大きく3つのパターンに分類されます。
第一に、東京都(警視庁管内)の指定警察署(田園調布、世田谷、三鷹など)をはじめとする一部の大都市圏の即日交付署です。これらの窓口には運転免許センターと同等のデジタル写真撮影装置が配備されており、優良運転者講習や一般運転者講習の対象者であれば写真持参不要で手続きが完結します。窓口を訪れた当日に機械の前へ座り、その場で撮影されたデータが免許証に印字されます。
第二に、地方都市や郡部を含め、全国で最も多いのが「警察署の行政窓口自体にはカメラ設備がなく、隣接する交通安全協会の窓口で有料撮影を行う」というパターンです。この場合、事実上「警察署の敷地内で当日撮影が可能」ではありますが、警察の公的サービスではなく、民間団体である交通安全協会に写真代として約800円〜1,000円の追加費用を現金等で支払って撮影する仕組みになっています。これを「警察署で無料撮影してもらえる」と勘違いして窓口へ行き、追加の出費に驚く利用者が少なくありません。
第三に、交通安全協会の撮影設備すら併設されていない、あるいは感染症対策や業務効率化の観点から「写真撮影の受託業務を完全に廃止した警察署」です。このパターンの警察署では、事前に規格通りの証明写真を自分で用意して持参しなければ、更新申請書類の受理そのものを拒否されます。「手ぶらで警察署に行ったら受領されず、近所のスーパーにある証明写真機まで走らされた」というSNS上の嘆きの声は、まさにこのケースに該当します。