快進撃を続けてメジャーシーンで頭角を現していたバンドを、2009年春、最大級の悲劇が襲いました。当時リードギターを担当していたAlexが、同年4月5日に東急田園都市線の車内で女性に対する迷惑行為(迷惑防止条例違反容疑)により逮捕されたのです。
この事件の影響は壊滅的でした。直後に予定されていたシングル「Around ザ world 少年」の発売は即座に中止され、日本テレビ系ドラマ『ゴッドハンド輝』の主題歌タイアップも差し替えられました。さらに決定していた全国ツアーは全面中止に追い込まれ、バンドは即座に無期限の活動休止を余儀なくされたのです。
所属事務所やレーベル関係者の間では「バンド解散」の選択肢が真剣に議論されました。起訴猶予処分となったものの、世間からの厳しい批判が浴びせられる中、メンバー4人とAlexは連日連夜に及ぶ対話を重ねました。最終的にAlex本人が「これ以上メンバーの夢やバンドの未来を邪魔することはできない」と自ら脱退を申し入れ、2009年5月13日をもって正式脱退が発表されました。
残された4人は「立ち止まるか、それとも茨の道を突き進むか」の決断を迫られました。Toruがリードギターとリズムギターの両方を兼任することを決断し、死に物狂いの猛練習を重ねて4ピースバンドとしての再構築を図ったのです。活動再開後の2010年にリリースされたシングル「完全感覚Dreamer」は、背水の陣で挑んだ彼らの剥き出しの怒りと決意が込められた名曲となり、オリコンTOP10入りを果たしてバンドの完全復活を決定づけました。
なお、脱退後のAlexは音楽の世界から完全に身を引いたわけではなく、ファッションモデルやアパレル関係のクリエイターとして活動しながら、現在も別のインディーズプロジェクトで音楽制作に関わっています。当時の確執は長い年月を経て氷解しており、私的な場でお互いの人生を尊重し合う関係へと昇華されています。