足の冷えを訴えて外来を訪れる患者を精査すると、生活習慣病やホルモン異常、脊柱の変形に起因する疾患が次々と見つかります。自己判断で放置した場合、組織の壊死や歩行困難に直結しかねない4大疾患の特徴を正しく把握しておく必要があります。
筆頭に挙がるのが、下肢閉塞性動脈硬化症(LEAD)です。動脈硬化によって足の血管が狭くなり、血流が途絶える病態で、初期には足の冷感やしびれが現れます。さらに進行すると「数百メートル歩くとふくらはぎが締め付けられるように痛くなり、休むと治まる」という間欠性跛行(かんけつせいはこう)が出現します。放置すれば安静時にも激痛が走り、最悪の場合は足切断に至る危険を孕んでいます。
次に警戒すべきは糖尿病性末梢神経障害です。高血糖が長期間続くことで末梢神経に栄養が行き届かなくなり、感覚が麻痺していきます。足が冷たいと感じる一方で、熱さや痛みに鈍感になるため、低温やけどや小さな傷口からの感染に気づかず、潰瘍や壊疽へと悪化するケースが後を絶ちません。
さらに、代謝の司令塔である甲状腺ホルモンが減少する甲状腺機能低下症(橋本病など)や、腰椎の変形によって神経根が圧迫される坐骨神経痛によるしびれと循環不全も、下肢の局所的な冷えを強力に引き起こします。