セレソンの命運を語る上で避けて通れないのが、ネイマールの怪我の現状と現在の立ち位置です。2023年秋の左膝前十字靭帯および半月板断裂という大怪我以降、過酷なリハビリを経てピッチ復帰を果たしたものの、代表チームにおける役割は不可逆的な変化を遂げました。
かつてのように「すべての攻撃がネイマールを経由する」戦術は終焉を迎えました。本人が手記やインタビューで「若い選手たちが自立し、王国を背負う準備はできている」と語ったように、現在のセレソンの絶対的けん引車はヴィニシウス・ジュニオールへと完全にシフトしています。
クラブシーンでバロンドール級の活躍を続け、UEFAチャンピオンズリーグを制覇してきたヴィニシウスですが、これまでの代表成績ではクラブほどの数字を残せていないという批判に晒されてきました。しかし、南米予選の終盤から左サイドの単独突破に加えてインサイドへのダイアゴナルな進入をマスターしたことで、代表での得点関与率が劇的に向上。右サイドのロドリゴ、中央のエンドリッキとの「新世代トライアングル」は、歴代のレジェンドたちに匹敵する爆発力を秘めています。