インターネット上の掲示板やSNSでは、子供の失踪に関して誤った認識が依然として根強く流通しています。その筆頭が「警察は24時間経過しないと捜索願を受理してくれない」という言説です。これは欧米の古い法制度やフィクションの刑事ドラマから生じた完全な誤解であり、前述の通り日本の警察実務において子供の捜索届は即時受理・即時出動が原則です。
また、「日中の見通しの良い公園だから安全」「友達と一緒にいるから大丈夫」という思い込みも危険です。警察庁の犯罪統計を検証すると、不審者による子供への声かけ・連れ去り未遂事件の多くは、午後2時から午後5時の下校時間帯、自宅から数百メートル圏内という最も日常的な生活圏で発生しています。犯行の手口も、力づくで車に押し込むような凶悪事案だけでなく、「道を教えてほしい」「子犬を探すのを手伝って」「お母さんが事故に遭って病院にいる」といった子供の親切心や不安を巧妙に突く手口が主流です。
「知らない人についていかない」という従来の指導だけでは防ぎきれません。「どんな理由があっても、車には絶対に近づかない(ドアから2メートル以上離れる)」「大人が子供に頼み事をしてきたら、近くの別の大人のところへ走って知らせる」といった、具体的で身体に染み込ませるアクションプランを日常的にシミュレーションしておくことが不可欠です。