日常会話で何気なく使いがちな表現ですが、対人関係において相手に向けて使うのは明確なマナー違反となるケースが少なくありません。最大の理由は、このことわざが「誰もが好まない劣ったもの・奇特な対象」を前提にしている点にあります。
とりわけ恋愛やパートナー選びの場面で「あんな人と付き合うなんて、蓼食う虫も好き好きだね」と口にすると、相手の恋人や配偶者を「誰が見ても魅力的ではない、苦くてまずい草のような存在」と公然と侮辱していることと同義になります。本人にとっては冗談半分や「お似合い」のつもりであっても、受け手にとってはパートナーと自分自身の審美眼を同時に否定されたと感じ、深い不快感を抱く原因となります。
ビジネスの場でも同様です。取引先が愛用しているニッチな製品や、同僚のこだわりの業務スタイルに対して用いると、「あなたの選択は普通じゃない」「変わり者だ」というネガティブな評価が伝わってしまいます。目上の人に対して使うのはもってのほかであり、相手の選択を尊重するビジネスコミュニケーションでは原則として封印すべき言葉です。