福士蒼汰という名が日本中で決定的なものとなったのは、ヒット作『きょうは会社休みます。』での好演だった。年下男子としてのピュアさと包容力を兼ね備えた役柄は空前のブームを巻き起こし、世の「恋愛ドラマ」ブームの頂点に君臨した。視聴者の胸をキュンとさせる壁ドンや甘い眼差しは、彼のパブリックイメージを強固なものにした。
画面越しの恋人像があまりに完璧だったからこそ、世間は彼のリアルなロマンスを熱望した。「現実でも誰かと恋に落ちているのではないか」というファンの妄想とメディアの思惑が交錯する。だが、当時の現場スタッフによれば、本人は撮影の合間もストイックに台本と向き合い、共演者との距離感も極めて紳士的だったという。画面で見せる甘い表情と、現場でのプロフェッショナルな素顔のギャップがそこにはあった。