実際に大型犬グレーハウンドと暮らす日本のオーナーコミュニティを取材すると、ネット上のカタログスペックでは見えてこないリアルな日常が浮かび上がってきます。
都内の戸建てで暮らす40代のオーナー手記には、次のような印象深い告白が綴られています。
「以前はゴールデン・レトリバーと暮らしていましたが、グレーハウンドを迎えて最も驚いたのは『体臭の圧倒的な少なさ』と『毛の抜けにくさ』です。抜け毛が全くないわけではありませんが、短毛なので手入れは蒸しタオルで拭くだけで済み、大型犬特有の獣臭が部屋にこもりません。ただ、想定外だったのは散歩中の小動物に対する過敏さでした。普段はソファーから動かないのに、近所の野良猫や鳩を見かけた瞬間、突如としてスイッチが入り、全力でリードを引かれます。あの瞬発的なトルクは油断すると大人の男性でも引きずられそうになります」
また、愛犬家が集うSNSや知恵袋などのコミュニティ検証でも、以下のような生々しい実態が報告されています。
「ドッグランに行っても、他の犬とプロレスごっこをして遊ぶことには興味を示さず、一頭で弧を描いて猛ダッシュした後は、飼い主の足元に来て『もう帰ろう』と催促してくる」「首が頭部と同じくらい太く、頭の幅が狭いため、通常の首輪だとすっぽ抜けて脱走してしまう。サイトハウンド専用の幅広のマーチンゲールカラーでなければ散歩が成立しない」といった現場ならではの証言です。
優雅で物静かな生活の裏には、一度本能に火がついた際の圧倒的なパワーを統制できる冷徹な管理能力が不可欠であることが分かります。