原作者である石ノ森章太郎が残した「仮面ライダー」の遺伝子は、孤独と悲哀、そして異形の力を背負う人間の覚悟である。『仮面ライダーW』は、その重厚なテーマを受け継ぎつつ、「二人で一人の探偵」という斬新なギミックを融合させ、特撮テレビドラマの表現地平を一気に押し広げた。
テレビ朝日系列で放映された本作は、緻密なミステリー仕立ての脚本とスタイリッシュなビジュアルで、従来の児童層だけでなく幅広い大人のドラマファンをも巻き込む大ヒットを記録した。怪奇性とポップカルチャーが奇跡的なバランスで調和した世界観の中で、菅田演じるフィリップが見せた「自らの存在意義に苦悩しながらも誰かのために立ち上がる姿」は、時代を象徴する新たな特撮ヒーロー像として人々の記憶に刻み込まれた。