植物の成長に合わせて鉢を徐々に大きくしていく「ブルーベリー鉢増しの手順」は、一気に巨大な鉢へ植え替えないことが最大のコツです。3号ポットからいきなり10号鉢へ移すと、根が吸いきれない水分が土中に滞留し、酸欠による根腐れを誘発します。2〜3年かけて「4号→6号→8号→10号」と段階的にステップアップさせるのが定石です。
鉢の選定においては、側面にスリットが入った「スリット鉢」が圧倒的に有利です。根がサークル状に巻くのを物理的に遮断し、用土全体に均一な細根を張らせることができます。鉢底石は基本的に不要ですが、通常のプラ鉢を使用する場合は、水はけを確保するために大粒の鹿沼土か軽石を薄く敷いてください。
また、庭植えにして年々樹勢が落ちてしまった株を救う「地植えから鉢植えへの植え替え」も現場では頻繁に行われます。日本の庭土の多くは弱酸性から中性であり、長年の降雨で周囲の土と混ざることでブルーベリーが衰弱していきます。掘り上げる際は、主幹から半径30cm程度の位置にスコップを垂直に入れ、根をできるだけ大きく掘り起こします。泥状になった古い粘土質の土をバケツの水で洗い流し、傷んだ黒い根を切り詰めた上で、前述の黄金配合用土を満たしたスリット鉢へ植え直します。このリカバリー作業を行うことで、瀕死の地植え株が翌シーズンには劇的な復活を遂げることが多々あります。
作業完了後のブルーベリー植え替え後の水やり管理には細心の注意を払ってください。植え付け直後は、鉢底から濁りのない透明な水が流れ出るまで、3〜4回に分けて徹底的に水を与えます。微粉を洗い流し、土と根を密着させるためです。その後は、土の表面が白っぽく乾き始めたタイミングで鉢底から出るまで与える「メリハリのある灌水」を維持します。毎日機械的に少量の水を与える行為は、土中の空気を押し出せず根腐れを促進する最悪の管理法です。