プロの厨房で受け継がれてきた極上ソースの再現。その鍵を握るのは、身が詰まった旬のマガキを選ぶことだ。水分をたっぷり含んだ良質な牡蠣から滲み出るエキスには、天然のアミノ酸であるグルタミン酸が驚くほど豊富に含まれている。
プロ直伝の「黄金比」は、極めて緻密だ。抽出した純粋な牡蠣の濃縮液100mlに対し、濃口醤油30ml、紹興酒20ml、そして三温糖と黒糖をブレンドした砂糖類15g。ここに、隠し味として少量の昆布だしと老抽(中国のたまり醤油)を数滴加えるのが、名店特有の奥深い色合いとコクを生み出す極意である。
鍋に材料を合わせたら、弱火でじっくりと詰めていく。焦げ付きの一歩手前で加熱を続けることで、アミノ酸と糖が反応するメイラード反応が促進される。立ち上る香ばしい香りと艶やかな深紅のツヤが生まれれば、中華名店の味を凌駕する至高の一品が完成する。