だが、この驚異的な「時間の引き延ばし」は、種の存続において致命的な脆さと表裏一体でもある。研究によると、ニシオンデンザメの雌が繁殖可能となる性成熟を迎えるまでには、およそ150年もの年月を要する。つまり、現在繁殖を行っている個体たちは、19世紀半ば、産業革命の頃に生まれた世代なのだ。
世代交代に莫大な時間を要するため、乱獲や底引き網による混獲、そして急速に進む北極圏の温暖化による海水温の上昇は、個体群の維持にとって極めて深刻な脅威となる。1世紀以上をかけてようやく次世代を残す準備が整う生命を、人類の活動がわずか数十年で奪い去ってしまう危険性は否定できない。悠久の時を生きる深海の巨人は今、地球環境の激変という前例のない試練の前に立たされている。 (出典: ニシオンデンザメ 寿命(Yahoo!ニュース))
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