大手チェーンが加熱式タバコへと舵を切るなか、「紙巻きタバコを指に挟み、煙を眺めながら珈琲を飲む時間こそが至高」と語る紙巻き派にとっての生命線となっているのが、全席喫煙可の純喫茶や喫煙目的室認可喫茶店です。
前述の通り、資本金5,000万円以下・客席100平方メートル以下の既存店という条件をクリアした個人経営の喫茶店は、店頭に「喫煙可能室設置施設」の公的標識を掲示することで、店内の全座席で紙巻きタバコと飲食の提供を継続できます。東京の神田、新橋、浅草、大阪の梅田、難波といった歴史あるビジネス街や下町には、現在も昭和の佇まいそのままに愛煙家を温かく迎え入れる名店が数多く息づいています。
取材班が都内の老舗純喫茶を訪れると、カウンター越しにサイフォンで淹れられる珈琲の香ばしさと、紫煙の香りが絶妙に調和した独特の静寂が広がっていました。店主は「2020年の法改正時は廃業も考えたが、20歳未満立ち入り禁止の看板を掲げて喫煙可能店として営業を続ける道を選んだ。今では近隣のオフィスワーカーだけでなく、昭和カルチャーに惹かれた若い世代の愛煙家も遠方から訪れる」と語ります。こうした店舗は「紙巻きタバコ対応カフェ」を探す愛煙家にとって、代えの利かない貴重な文化的シェルターとなっています。