やらぬ善よりやる偽善の真意とは?炎上と共感を生む心理と行動論

やらぬ善よりやる偽善の真意とは?炎上と共感を生む心理と行動論

やらぬ善よりやる偽善の真意とは?炎上と共感を生む心理と行動論とはどのようなものなのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

被災地取材や支援団体の関係者へのヒアリングを重ねると、「やる偽善」が社会に歓迎されるか、あるいは激しい炎上を招くかには、明確な境界線が存在することが分かります。

決定的な分水嶺となるのは、「受益者(支援を受ける側)のニーズに合致しているか」という一点です。

例えば、過去の災害時に一部の配信者が「現地で炊き出しをする様子をライブ配信し、再生数を稼ぐ」という行動を取りました。この際、現地自治体の許可を得ず、道路を塞ぎ、自分たちの食料や燃料すら現地調達しようとしたケースは猛烈な批判を浴びました。これは「偽善だから」叩かれたのではなく、「現場のリソースを奪う実質的な加害行動」であったためです。

一方で、寄付金額を明記した振込明細をSNSにアップし、「みんなも少しずつ寄付しよう」と呼びかける行為は、たとえ本人の知名度向上に繋がったとしても、受取先である自治体や日本赤十字社にとっては純粋な救援活動資金となります。支援現場の担当者は一様に「動機が売名だろうと何だろうと、届いた1000万円で数百世帯の生活必需品が確保できる。現場にとってはお金に名前は書いていない」と証言しています。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。