クローン病とともによく耳にする疾患に「潰瘍性大腸炎」があります。どちらも国の指定難病である炎症性腸疾患(IBD)に分類されますが、医学的な特徴や病変の広がり方には明確な違いがあります。
最大の違いは「炎症が起こる範囲」と「炎症の深さ」です。
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も浅い層)にのみ炎症が起こり、直腸から上行結腸に向かって連続的に病変が広がります。主な症状は血便や下痢、粘血便です。
対してクローン病は、口腔から肛門に至るまでの全消化管のあらゆる部位に炎症が起こる可能性があります。小腸や大腸に多く見られ、病変が飛び飛びに存在する「非連続性(跳躍病変)」が特徴です。さらに、炎症が腸壁の深くまで達する「全層性」であるため、腸が狭くなる狭窄(きょうさく)や、腸に穴が開いて他の臓器や皮膚とつながる「瘻孔(ろうこう)」といった合併症のリスクが高くなります。
初期サインとしては、以下のような症状が長引く場合に専門医(消化器内科)の受診が推奨されます。
- 原因不明の微熱やだるさが数週間続く
- 食後の決まった時間帯に起こる右下腹部の鈍痛
- 数週間にわたる下痢と急激な体重減少
- 治りにくい「痔(特に痔瘻や肛門周囲膿瘍)」の発症