受験生がパンフレットや募集要項を見る際、最も目を奪われやすいのが「国家試験合格率98%!」といった華々しい数字です。しかし、この公表数値を鵜呑みにするのは危険です。
厚生労働省が実施する理学療法士国家試験の全国平均合格率は、例年80%〜90%前後で推移しています。合格率が極端に高く見える養成校の中には、本試験の直前に実施される卒業試験や模擬試験のハードルを厳格にし、「不合格の可能性が高い学生を卒業留年させて受験させない」というスクリーニングを行っているケースが現場関係者から報告されています。
SNSや知恵袋、現役学生の口コミを精査すると、養成校ごとのリアルな実情が浮き彫りになります。
「4年間の入学者数に対して、ストレートで国家試験に合格した人数がどれくらいいるかを見極めるべき。実習先で厳しい指導を受けてメンタルを崩し、休学する同級生も少なくなかった」(私立大学理学療法学科の卒業生)
「臨床実習の割り振り先が大学附属病院なのか、遠方の提携施設なのかで負担が全く異なる。実習サポートが手厚い大学は、専任教員が定期的に巡回指導に来てくれるため安心感があった」(中堅私立大の在学生)
大学選びにおいては、単年度の合格率だけではなく「過去5年間のストレート合格率」や「留年率・中途退学率」をオープンキャンパスなどで直接質問することが、ミスマッチを防ぐ鉄則です。
また、理学療法士の大学卒業後の就職先に目を向けると、国公立大学や上位私立大学の卒業生は、症例数が多く最先端医療を経験できる「大学附属病院」「特定機能病院」「総合病院」への就職比率が高い傾向にあります。これに対し、中堅大学や専門学校では、早期からリハビリ介入を行う「回復期リハビリテーション病院」や「地域包括ケア病棟」、外来患者の多い「整形外科クリニック」への就職が目立ちます。自分が将来どの病期(急性期・回復期・生活期・小児・スポーツ)に関わりたいかによって、選ぶべき大学の方向性も自ずと定まってきます。