アガー(Agar)とは、主にスギノリやツノマタなどの紅藻類(海藻)から抽出される「カラギナン」と、マメ科の植物であるキャロブの種子から採れる「ローカストビーンガム」などを主原料とした植物性のゲル化剤です。英語の「Agar-agar」は本来マレー語に由来し、海外では寒天全般を指す言葉として使われますが、日本の製菓業界においては「カラギナンをベースにブレンドされた凝固剤製剤」を指す固有名詞として定着しています。
食品成分としての栄養特性を見ると、アガーの主成分は水溶性食物繊維です。可食部100gあたりのカロリーは約330kcal前後ですが、実際のゼリー作りに使用する量は液体に対してわずか1〜1.5%程度(水分500mlに対して約5〜8g、熱量にして約16〜26kcal)に過ぎません。糖質や脂質をほとんど含まないため、ダイエット中のデザートや糖質制限レシピにも極めて相性が良い素材です。
アガーが重宝される最大の物理的特性は、「常温(約30〜40℃)で固まり始め、一度固まると約60℃以上にならなければ溶けない」という優れた耐熱性にあります。冷蔵庫の冷気で冷やし固める必要のあるゼラチンと異なり、常温で短時間のあいだにぷるんとしたゲルを形成するため、夏場の持ち歩きスイーツやビュッフェの常温展示にも耐えうる強固な安定性を誇ります。