『ちゅらさん』の制作にあたり、NHK制作陣は「沖縄の空気感をありのままに体現できるヒロイン」を求め、大規模なオーディションを実施しました。応募総数は2000人を超える激戦となり、名だたる若手女優たちが名を連ねる中、審査員の目を釘付けにしたのが国仲涼子でした。
脚本を手掛けた岡田惠和氏は、彼女が部屋に入ってきた瞬間に放った天真爛漫な空気と、作られた芝居ではない自然体の佇まいに運命的な直感を覚えたと語っています。沖縄特有の方言やイントネーションを違和感なく操り、何より南国の太陽のような眩しさを宿していたことが、満場一致での抜擢につながりました。
物語の原点となったロケ地は、八重山列島に浮かぶ美しい離島・小浜島(こはまじま)です。見渡す限りのサトウキビ畑をまっすぐに貫く「シュガーロード」や、古波蔵家の生家として登場した赤瓦の「こはぐら荘」は、放送直後から聖地として全国からファンが詰めかける一大名所となりました。島民総出の温かいサポートを受けながら行われた過酷な島ロケは、国仲涼子にとっても役柄と自己が完全にシンクロする特別な時間となり、作品に宿る圧倒的なリアリティの源泉となったのです。