当時はYouTubeもTikTokも存在しなかった。しかし、電子掲示板やアングラサイトを経由して流布した音声データや動画は、瞬く間に若者たちの間でバズを生んだ。サンプリングされた音源がクラブイベントで流され、コラージュ画像がネット上に溢れる現象まで起きたのだ。
事件の本質であった「住人同士の深刻な感情的対立」や「長年の生活騒音被害」という当事者間の現実は二の次とされ、面白おかしいキャラクターとして切り取られた。この構造は、現在のインフルエンサーによる個人情報の暴露や、街中での迷惑行為を撮影してSNSで拡散する文化と酷似している。