2018年7月7日未明、高梁川と小田川の合流点付近で発生した堤防決壊により、倉敷市真備町は町の約4分の1が冠水する未曾有の大災害に見舞われました。医療法人医清会 まび記念病院も例外ではなく、押し寄せた濁流は瞬く間に1階を飲み込み、水深は最大で約5メートル(2階天井付近)に達しました。
院内には入院患者約80名に加え、近隣から命からがら避難してきた住民を含む約300名が孤立。停電と断水で通信や医療機器が途絶する極限状態のなか、当時の院長をはじめとする医師・看護師・職員らは、寝たきりの重症患者をおんぶやシーツで3階・屋上へとピストン輸送しました。
水没から約24時間、自衛隊や消防、海上保安庁によるヘリコプターおよびボート救助によって犠牲者を1人も出すことなく全員が生還。この緊迫した救出劇は、医療従事者の迅速な初動と強い責任感を示す事例として、今も全国の防災関係者の間で語り継がれています。