大手進学情報ポータル(スタディサプリ進路やマナビジョンなど)の最新調査によると、救急救命士養成課程を設置する4年制大学・短期大学は全国で20数校存在します。国公立大学での養成課程は極めて稀少(一部の国公立大学医学部や保健学科での特別枠などを除く)であり、私立大学が教育の主軸を担っています。
各大学の偏差値帯は概ね40.0〜52.5前後で推移していますが、医療・消防関係者が口を揃えるのは「救急救命系学科を偏差値の数字だけで序列化するのは極めて危険」という事実です。重視すべきは、教員の現場キャリア、大学病院との提携体制、そして消防組織への輩出実績です。
関東圏の主要大学と教育的特徴
東日本における代表格といえば、国士舘大学体育学部スポーツ医科学科です。同校は日本で初めて大学に救急救命士養成課程を開設した名門パイオニアであり、東京消防庁をはじめとする全国の消防本部や警察、自衛隊へ圧倒的な卒業生ネットワークを誇ります。体育学部に属しているため体力錬成や精神的規律の指導が徹底しており、公安職採用試験の突破力は群を抜いています。
一方、医学的な臨床力を前面に打ち出しているのが帝京大学医療技術学部スポーツ医療学科(救急救命士コース)です。帝京大学医学部附属病院や板橋キャンパスの高度救命救急センターと密接に連携しており、現役の救急医学専門医が直接講義や実習を担当します。高度救急の最前線を学生時代から肌で体感できる学習環境は、将来的に病院救急救命士や救命センターでの活躍を目指す層から強い支持を集めています。
このほか、首都圏では杏林大学保健学部や帝京平成大学、千葉科学大学などが強固な実習ネットワークを構築しており、各校が公務員試験対策講座の学内常設やシミュレーション教育施設の充実度でしのぎを削っています。
関西圏および西日本の有力校
関西圏では、総合大学としてのリソースを活かした教育改革を進める京都橘大学健康科学部救急救命学科が急激に評価を高めています。1拠点キャンパスの強みを活かし、看護や理学療法、心理などの他学科と合同で多職種連携(IPE)プログラムを実施。現代の医療・救急現場で不可欠とされる「チーム医療のリーダーシップ」を学部生時代から育てる試みが注目を集めています。
西日本エリアでは、倉敷芸術科学大学や徳島文理大学、東亜大学などが地域医療および地方自治体消防の重要な供給源として機能しており、U・Iターン就職にも高い実績を持っています。