明治時代以降になると、さらに差別化を図るためにざるそばの上に「海苔」が散らされるようになった。これが、現代の私たちがよく知る「海苔があればざる、なければもり」というルールの原型だ。しかし、現代の一般的な蕎麦屋では、つゆの作り分けまで行っている店は減少しつつある。
多くの店が同じつゆを使い、海苔の有無だけで数十円から百円程度の価格差をつけているのが実情だ。だが、今でも歴史ある老舗やこだわり抜いた手打ち蕎麦店では、もり用とざる用でわざわざ出汁の引き方や醤油の配合を変えている。この職人のこだわりこそが、現代における真の分岐点と言えるだろう。