救急医療機関や脳卒中ケアユニット(SCU)の現場取材、さらに医療相談プラットフォームやSNS上に寄せられた当事者手記を分析すると、深刻な脳血管疾患を発症した患者の多くが「前触れの違和感」を軽視していた事実が浮き彫りになります。
都内の救急病院に搬送された40代男性の手記には、次のような生々しい証言が残されています。
「朝起きた瞬間、右の後頭部に経験したことのない突っ張り感と鈍い痛みが走った。デスクワークによる重度の肩こりだと思い込み、力任せに首を回したりストレッチポールで後頭部をぐいぐい押し込んだりしていた。しかし翌日になっても痛みが引かず、視界が左右に揺れ始めて立っていられなくなり救急車を呼んだところ、椎骨動脈解離による小脳梗塞と診断された」
また、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血 前兆としても知られる「警告頭痛(Warning headache)」の体験談では、「破裂する数日から数週間前に、後頭部へ一瞬だけ走ったピキッとした不快な頭痛を風邪や疲労のせいにしていた」という告白が散見されます。激痛に至る前の段階で生じる微小出血や動脈の伸展刺激を見落とさない洞察力が、生死の分かれ目となります。