セルフスタンドにおける事故の中で、金銭的・機械的被害が最も深刻なのが「油種の入れ間違い(誤給油)」です。JAF(日本自動車連盟)が発表した燃料入れ間違いに関する救援出動件数の調査データによると、年間を通じて全国で数千件規模の誤給油トラブルが発生しており、特に年末年始や大型連休などの行楽シーズンに多発する傾向が如実に現れています。
背景にある深刻な誤解が、「軽自動車だから軽油を入れる」という根本的な勘違いです。軽自動車の「軽」は道路運送車両法で定められた車両区分であり、燃料の「軽油(ディーゼル燃料)」とは全く無関係です。一般的な軽自動車はすべてガソリン(レギュラー)で走行します。
日本の消防庁およびJIS規格により、誤給油を視覚的に防ぐ目的で給油ノズルには厳格なカラーユニバーサルデザインが義務付けられています。
万が一、ガソリン車に軽油を給油してしまった場合、点火プラグが煤で覆われて失火し、加速不良や激しいノッキングを起こして最終的にエンジンが停止します。逆に、クリーンディーゼル車にガソリンを入れて高圧噴射ポンプを回してしまうと、燃料自体の潤滑性が失われて内部摩擦で金属粉が発生し、燃料系統全損という莫大な修理被害をもたらします。もし入れ間違いに気付いた場合は、絶対にエンジンを始動せず、その場で直ちにスタンドスタッフへ申し出てください。