医療機関における陥没乳頭の治療法は、患者の年齢や重症度、将来的な授乳希望の有無に合わせて複数のアプローチから選択されます。
1. 非手術的治療(保存的療法):
未成年者や軽度の成人に対しては、医療用の持続的吸引装着具を用いた牽引療法が行われます。組織への負担を抑えながら数か月単位で突出を定着させる手法です。
2. 乳管温存手術(酒井法・変法など):
将来授乳を行いたい若い世代に最も選ばれている術式です。乳頭を縛り付けている線維束のみを丁寧に切除・剥離し、乳管を傷つけずに温存したまま乳頭基部を縫い縮めて後戻りを防ぎます。高度な形成外科的手技が求められます。
3. 乳管切断法(非温存法):
授乳の予定がない方や重度のグレード3で乳管の短縮が著しい場合に適用されます。乳頭を引き込む原因となっている短い乳管ごと切離するため、再発率が極めて低い点が特徴です。
費用面では、自由診療(美容目的)のクリニックで両側を手術した場合、約20万円〜40万円程度が一般的な相場です。一方、後述する医学的条件を満たして保険適用となった場合は、3割負担で両側約3万円〜6万円前後(事前検査代や処置料を除く)で手術を受けられます。