猪木のスケールはリングの中にとどまらなかった。スポーツ平和党を結党して参議院議員へと転身し、湾岸危機の最中には単身イラクへ乗り込んで邦人人質解放を実現させるなど、常識外れの行動力で世界を驚かせた。リングでも政界でも、常に「風穴を開ける」ことだけに命を燃やしていた。
その唯一無二の生き様は、彼の死後もカルチャーとして再解釈され続けている。映画『アントニオ猪木をさがして』では、世代を超えた表現者たちが彼の残した熱量を問い直し、Netflixをはじめとするストリーミングサービスでも関連作品やアーカイブが世界配信されている。猪木という現象は、彼がこの世を去った後もなお、国境や時代を越えて拡大し続けている。