阿部サダヲが日本のドラマ史に刻んだ最大の功績は、「主役」という概念の境界線を押し広げた点にあります。かつてテレビドラマの主役といえば、非の打ち所がない美男美女か、清廉潔白なヒーローが相場でした。しかし阿部は、狡さ、下品さ、情けなさ、そして哀愁といった人間の不完全な要素をすべて抱えたまま、誰からも愛される主人公像を打ち立ててみせました。
大人計画の舞台で培われた強靭なフィジカルと、相手の芝居を受け止める繊細な知性。その両輪があるからこそ、宮藤官九郎をはじめとするトップクリエイターたちは、彼に最も難解で、最も愛おしいキャラクターを託し続けています。
笑って、呆れて、最後にはなぜか胸が熱くなり涙がこぼれてしまう――そんな唯一無二の鑑賞体験を求めているなら、阿部サダヲが遺してきた名作群の扉を開けてみてください。そこには、時代がどれほど移り変わろうとも色褪せることのない、剥き出しの人間讃歌が息づいています。 (出典: 阿部 サダヲ ドラマ(Yahoo!ニュース))
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